内緒でいろいろ作るんだ。

だだの日記です。忘れないように書いてます。

映画 きっと、星のせいじゃない。 ★★★★☆

簡単に言うと、若くして死ぬことが決まっている少年少女のラブストーリー。
闘病映画ではないところがポイント。ラブストーリーだけど、LoveがメインじゃなくてLiveがテーマ。

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生きること、死ぬことについて、葛藤するシーンは、書かれていない。

主人公のグレイスは13歳から闘病生活を送っていて、何回も死にかけていて、生きて行かなきゃいけないこと、いろんなことを諦めなきゃいけないこと、家族のこと、いろいろ思い悩んで、それでも今生きていることを受け入れて生きているんだと思う。
ボーイフレンドのガスも、軽い骨肉腫で足を切断、って軽く言ってるけど、切る決断は相当につらかったはず。バスケットボールのトロフィーがいくつも並んでいる部屋で、昔のことと言ってのけるその強さ。
両眼摘出しなければならなくなったアイザックも、それに対して一言も愚痴は言わない。

書かれていないからこそ、その子たちが背負ってきた運命の重さを強く感じる。

グレイスやガスが気にしているのは、自分が死んだ後、のこと。
グレイスは家族や周りの人がどんなふうに生きていくのか心配してるし、ガスは自分が生きていたことを残したいと思ってる。

その答えを見つけたくてオランダに好きな本の作者に会いに行ったのに、その作者は正反対の答えしか持っていないという矛盾。小説家は娘が死んだ後の世界を自分もそこで終わらせてしまっている人。生きてるのに生きていないような人。そこがグレイスとガスと対照的だった。

最後のほうで、グレイスがいなくなってからも彼女の存在がが両親の力になることを知り安心し、ガスも歴史の本にのるようなヒーローではなくて誰か一人の大切な記憶に残るという幸せをつかんで、できるだけのことをしていく。

最初、原題の「The Fault in Our Stars」が邦題は「星のせいじゃない」って、逆じゃ?と思ったけど、
人生を作っていくのは、運命のめぐり合わせじゃくて、自分たち自身という意味なんだと思った。

アンネフランクの部屋でのキスシーン、あれに伏線があるとは知らなかったので、「アンネの日記」を見てたらオランダでのシーンがもっと面白かったかも。