内緒でいろいろ作るんだ。

だだの日記です。忘れないように書いてます。

本 俺俺 ★☆☆☆☆

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「俺俺」 星野智幸

導入部分はすごく面白かった。

主人公はが、たまたま他人の携帯を手に入れる。そこに登録されていた「母」からの電話に出てしまい、遊び半分、出来心で?オレオレ詐欺のための芝居をする。うまく現金が入ったものの、翌日知らないおばちゃんが、「自分の母」として登場。 あまりの出来事に「自分の実家」に行ってみると、「自分の母」は、自分を知らないといい、家の中に「もう一人の俺」がいる。

ここまでは面白い。

この後、「俺ら」との迎合、自己の増殖、消去し合い、やがて多様な自己を受容して調和していく。この流れ的には良いのかもしれない。人間の成長過程だよね、まさに。でも、なんかストーリーとしてどうなの?と。

部分部分はリアリティーがあって、「同類で固まることの気持ちよさ、楽さ」「自分以外の人との人間関係」「自分の中の嫌な部分を見つけて消してしまう」とか、現代の病んでいる状況を反映しているかように思う。

けど、物語としての構成がなくて、思いつくままに書き進んでいる感じ。なので、無理やり、ラストまで力任せにもっていってる。で、なんか面白くない。そして、ハッピーエンドと言えるのに、途中までの嫌な感じを引きずって読後感が悪い。

なので、★1つの「読まなくても良かった」です。
でも、この本が受けてるってことは、社会全体が未熟な状況なんだなと、さらに憂いが強まりました。

アマゾンのレビューアーさんで、まさにそう、というのがあったので、勝手にリンクさせていただきます。