内緒でいろいろ作るんだ。

だだの日記です。忘れないように書いてます。

本 「遮光」「ちょうちんそで」

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「遮光」中村文則
ものすごくいやな気分になる本だった。

恋人の事故死を受け入れられず、彼女の幸福な生活を周囲に装いながら、自分の狂気に気がつきながらもとめられずに暴走していく様が書かれている。

この不快感の原因は、主人公の狂気とかではなく、自分を演技している主人公が自分と重なるから。
この主人公は恋人の死がきっかけで、内なる自分に自分で気がつき、気がついていながら押えていられず、現実の他人から見た自分と内なる自分が交錯し、表層に現れた内なる自分が他人の目に触れるのを止められず、暴走する自分も止められなくなってしまったけど、いつか私もそうなってしまったらどうしようと思う。

「ちょうちんそで」江国香織
こちらはさびしい気分になります。江国さんの本は、人は一人ということを感じます。誰かと一緒にいても孤独。
昨今、世間では「絆」「つながり」ブームですが、本の世界では孤独や内なる自分をテーマにしたものが多い矛盾。本当は結局一人ということに気がついているから、もしくは気がつかないようにつながりを求め、その作られた世界に気づかない、もしくは気づくいてしまう不安で本を読むのでしょうか。